カーボンニュートラルってなんだろう?
もやもやした感覚を解消できるよう、カーボンニュートラルについてわかりやすく記事にしました。ご参考になれば幸いです。
目次
カーボンニュートラルとは?
最近、ネットニュースやテレビでちょくちょく言葉だけは耳にしたことがある言葉、「カーボンニュートラル」。
なんとなく意味はわかっているつもりですが、でも実際のところどんな取り組みなのでしょうか。
本記事ではカーボンニュートラルについてわかりやすく説明していきます。
要するにカーボンニュートラルとは、私たちが生産や消費を行う際に発生する温室効果ガスの排出量を、削減や排出量を相殺することで、ゼロに近づけることを目指した取り組みのことです。
なぜカーボンニュートラルが必要なのか?
地球温暖化は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出によって引き起こされると言われています。人間活動によって排出されるこれらの温室効果ガスの量は、近年急激に増加しており、地球温暖化の進行を加速させていると考えられる説が多くあります。そのため、地球温暖化を抑制するためには、温室効果ガスの排出量を削減し、さらには吸収・除去することが必要です。カーボンニュートラルは、これらの取り組みの一つとして注目されています。
カーボンニュートラルの取り組み
カーボンニュートラルを実現するためには、以下のような取り組みが必要です。
1.再生可能エネルギーの活用
風力、太陽光、水力などの再生可能エネルギーを活用することで、化石燃料による二酸化炭素の排出を減らすことができます。
2.省エネルギーの推進
エネルギー消費量を削減することで、二酸化炭素の排出を減らすことができます。例えば、LED照明や高効率の空調設備の導入、建物の断熱化などが挙げられます。
3.森林の保全と植林
森林は、二酸化炭素の吸収と酸素の放出によって、温室効果ガスの削減に貢献しています。そのため、森林の保全や植林に取り組むことが重要です。
4.排出量の削減と相殺
排出量を削減することができない場合は、二酸化炭素を吸収するプロジェクトに投資することで、排出量を相殺することができます。例えば、二酸化炭素を吸収する植林プロジェクトや、地熱発電所の建設などが挙げられます。
以上のような取り組みにより、カーボンニュートラルな社会を実現することが可能となるのではないかと言われています。
カーボンニュートラルへの世界的な取り組み・実例
カーボンニュートラルは我々人類が直面している大きな課題です。
世界中の人々が知恵を出し合い、解決していかなくてはならないもので、我が国でも多くの目標が掲げられています。
そこで、すでに世界ではどのような取り組みがなされているのか、実例を踏まえてご紹介します。
1.スウェーデン
スウェーデンでは、国土全体で2050年までのカーボンニュートラル宣言を行っており、国内での化石燃料の使用を減らし、代替エネルギー源の利用を促進しています。また、エネルギー効率の改善、森林の保全と再生可能エネルギーの利用、および廃棄物の処理によって、排出量を削減することにも取り組んでいます。
2.ドイツ
ドイツでは、2020年までに温室効果ガス排出量を1990年の水準の40%に削減することを目標としています。さらには、風力、太陽光、水力などの再生可能エネルギーの利用を増やすことで、目標達成に向けた取り組みを進めています。
3.イギリス
イギリスは、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しています。イギリスは、再生可能エネルギーの利用を増やすための政策や、省エネルギーの促進、カーボンキャプチャー技術の開発などによって、目標達成に向けた取り組みを進めています。
4.アメリカ・カリフォルニア州
アメリカのカリフォルニア州では、2045年までに州内の全エネルギー需要を再生可能エネルギー源から賄うことを目指しています。同州は、風力、太陽光、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギー源を促進し、省エネルギーの推進、低炭素交通手段の開発などに取り組んでいます。
5.デンマーク
デンマークは、2050年までに全てのエネルギー供給を再生可能エネルギーに転換することを目指しています。同国は、風力発電に注力しており、海上風力発電においても、世界最大の発電量を誇っています。
6.ニュージーランド
ニュージーランドは、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しています。同国は、温室効果ガスの排出量を削減するために、再生可能エネルギーの導入や森林の保全、公共交通機関の整備などに取り組んでいます。
7.フランス
フランスは、2050年までにエネルギー供給の100%を再生可能エネルギーに転換することを目指しています。同国は、太陽光発電や風力発電、水力発電などの再生可能エネルギーを積極的に導入し、原子力発電所の閉鎖も進めています。
8.中国
中国は、2060年までにカーボンニュートラルを達成することを宣言しています。同国は、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー技術の開発、電気自動車の普及などに取り組んでおり、脱炭素化への取り組みを進めています。
これらの国や地域での取り組みは、世界的な温暖化防止のための模範となっています。
日本でのカーボンニュートラルへの取り組み
日本でも、政府や企業、地方自治体などが積極的に取り組みを進めています。
政府は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するために、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする「2050年度温室効果ガス削減目標」を掲げています。これに向け、再生可能エネルギーの導入や、省エネルギーの推進、カーボン税の導入など、様々な取り組みが進められています。
また、企業でも、環境に配慮した取り組みが進められています。例えば、自社の二酸化炭素排出量を削減するために、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの推進、製品やサービスの環境に配慮した改善などが行われています。
地方自治体でも、地域の再生可能エネルギーの導入や、低炭素社会の実現に向けた取り組みが進められています。例えば、自転車の普及や、公共交通機関の整備、低炭素型ビルの建設などが例に挙がります。
総じて、脱炭素に向けた取り組みは、政府や企業、地方自治体など、多角的に進められています。今後も、より効果的な取り組みが進められ、脱炭素がより一層進展することが期待されます。
カーボンニュートラルへの取り組み 〜まとめ〜
さいごに、カーボンニュートラル実現に向ける可能性を秘める方法を5つ挙げてみます。
1.再生可能エネルギーの普及
太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの普及が進むことで、化石燃料の使用を減らし、二酸化炭素の排出量を削減することができます。今後は、技術革新やコスト低減が進み、再生可能エネルギーの普及を加速させることが求められます。
2.省エネルギー・エネルギー効率の向上
産業部門や建築物、家庭などでの省エネルギー化やエネルギー効率の向上によって、エネルギーの使用量を削減することができます。今後は、省エネルギー技術の開発や、エネルギー効率を考慮した建築・設計の普及が必要とされます。
3.カーボン・プライシングの導入
二酸化炭素の排出に対して課金する仕組みであるカーボン・プライシングを導入することで、化石燃料の使用を減らすことができます。今後は、カーボン・プライシングの普及を進めるとともに、国際的な枠組みの整備が必要とされます。
最近では、仮想通貨を用いてカーボンプライシングを実現する取り組みも続々と出てきています。(IMPT.ioなど)
4.カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージ(CCS)技術の開発
二酸化炭素を排出する産業部門などで、排出された二酸化炭素を捕捉し、地中に貯留するCCS技術が注目されています。今後は、CCS技術の開発が進められ、実用化されることで、二酸化炭素の排出量を削減することが期待されます。
5.国際協力の強化
気候変動は国境を超えた問題であるため、国際的な協力が必要です。今後は、国際的な枠組みの整備や、開発(発展)途上国への技術移転や資金支援なども積極的に行っていく必要があります。
特に開発(発展)途上国は自らの国力を上げるために日々成長が必要ですが資金力が弱くお金をかけられません。そのため、安価な反面環境に悪影響を及ぼす方法を使わざるをえないことも多々出てくることでしょう。そうしたところが、先進国が手を差し伸べるべきパートなのかもしれません。
いかがだったでしょうか。
私たちの住む地球は資源が多く、大変住みやすい星ではありますが、住んでいる一人ひとりが環境について考え、どのようにして後世へ綺麗な地球を引き継いでいかれるのかを考えなくてはならない時が来ています。
今がよければそれでいい、という考え方はもう通用しません。
このままでは、ひょっとしたら私たちがまだ生きているうちにも、目に見えた変化が訪れる可能性すらありえるのです。
カーボンニュートラルとは、人間活動によって排出された二酸化炭素などの温室効果ガスを、地球上の自然や技術的な手段を用いて吸収・除去することで、人間活動が引き起こす温暖化の影響を最小限に抑えることを目指す取り組みです。つまり、カーボンニュートラルを実現することで、人間活動によって排出される温室効果ガスの量と吸収・除去される量が釣り合い、地球温暖化に対する対策となるということです。