「鬼滅の刃」の人気の秘密

「鬼滅の刃」の人気の秘密

・・・きっと日本に在住している方ならば一度は聞いたことのある名称ではないでしょうか。

コミックス(集英社)はもちろん、映画「鬼滅の刃〜無限列車編〜」舞台グッズなど、どれを取ってもその注目度は凄まじいです。

中でも映画「鬼滅の刃〜無限列車編〜」は10月16日の公開日から10月25日までの10日間で興行収入100億円を突破しており、日本の映画史上最速で100億円の突破、という偉業を達成しています。
私も先日、映画「無限列車」を観てきました。
ジャンプでの連載をリアルタイムで読んでいたので、内容こそ知ってはいましたが(忠実に再現されていた!)、とっても感動しました。

コミックス(集英社)も、2019年の9月時点で累計1200万部の売り上げ(これだけでもすごい!!)だったものに対し、2020年10月2日の第22巻をもってシリーズ累計販売部数1億部突破しています!(1年間で9000万部弱の売り上げ!)。

累計発行部数の流れ(集英社発表)
19年4月6日:350万部(テレビアニメ放送時)
※4月9日発売巻で500万部
19年9月末:1200万部(テレビアニメ終了時)
19年12月4日:2500万部
20年2月4日:4000万部
20年5月13日:6000万部
20年7月3日:8000万部
20年10月2日:1億部

作者の印税収入や著作権収入などは数百億円に上ると見られ、数千億円の収入まで予想されている人もいるほど。

コロナでの巣篭もり需要も相まってか、非常に素晴らしい業績を見せています。

今では多くのお店も鬼滅の刃とコラボを実施し、その勢いに乗っていますね。

さて、鬼滅の刃はどうしてここまで人気が出ているのでしょうか。

鬼滅の刃の人気の秘密を考えてみました。

money-bliss 筆者にて撮影 (ジャンプコミックス)

鬼滅の刃 人気の秘密① ストーリー展開が早い

まず「鬼滅の刃」の人気の秘密と言えるのが、展開が早く目が離せないという点です。

漫画の中に「柱」と呼ばれる、鬼殺隊(鬼を倒していく組織)の隊長クラスが居るんですが、この柱はみんな個性があって面白いだけでなく、非常に戦闘能力に優れているんです。

しかしそんな「最強」と思えるような柱たちですら、強い鬼との戦いの中で容赦無く倒されてしまいます(鬼がいかに手強いかというのがわかります)。

1つの対戦が終わってもすぐまた次の対戦が始まり、瞬く間に話が進展していくんです。

実際、17巻あたりでラスボス(鬼舞辻無惨)の根城に乗り込み、最終局面と言えるバトルがスタートしていきます。

少年漫画では「引き分け」や一度破れても強くなって帰ってきて、再挑戦して勝つと言うような筋書きが多いのですが、鬼滅の刃では必ず勝敗が付くと言う点が面白いです。

鬼滅の刃 人気の秘密②  キャラ設定が良い

鬼滅の刃の人気は、登場するキャラクターの個性の豊かさにあります。

鬼滅の刃に出てくるキャラクター達は、みんな個性が豊かでキャラクターひとりひとりがとても魅力的です。

主人公の竈門炭治郎(かまど たんじろう)は目の前で家族を鬼に殺されてしまい、妹の禰豆子(ねづこ)は一命を取り留めたものの鬼にされてしまいます。

炭治郎はこのような悲劇を二度と生まないためにも、強くなって鬼を倒す決意をもとに物語がスタートしていきます。

こうした悲劇のバックグラウンドを持った、心優しい少年が主人公なので読者も感情移入しやすく、応援したくなります。

最初は弱くて何もできなかった炭治郎が厳しい修行や鬼との対戦を経て強く成長していく姿も展開が早く面白いポイントです。

「鬼滅の刃」公式サイト(集英社)より

妹の禰豆子(ねづこ)は、鬼なのに心のどこかにある「家族愛」が鬼としての本性、「人を食らう」と言う行動に歯止めをかけており、炭治郎をはじめ他の人を食そうとしません。
鬼は人を食べなければ生きていかれないはずですが、禰豆子は「睡眠」で生命の源を得るようになり、ほぼいつも眠っています。

禰豆子はその容姿の可愛さはもちろん、作中ではほぼ喋らずセリフこそ無いものの、細かい仕草や戦闘時のカッコよさなどでファンの心を魅了します。

「鬼滅の刃」公式サイト(集英社)より

他にも、子供達がモノマネして楽しむ我妻善逸(あがつま ぜんいつ)は怖がりで頼りない反面、ここぞという場面ではとても頼りになったり、仲間想いな性格が共感ポイント。

伊之助(いのすけ)は常に猪の被り物を顔に被っており上半身裸という不思議な風貌ですが、猪の被り物を取ると素顔は美青年というギャップが面白く、戦闘能力も高いのでとても頼りになる仲間です。

他にもたくさん人気のキャラクターが居るんですが、物語を通してあまり新しい顔が出てこないのも面白いです。

というのも、毎回毎回新キャラクターが出てきてしまっては、なかなかキャラクターへの感情移入ができずに話が進んでしまいますからね。

鬼滅の刃では、ほぼ主要キャラクターに変更はなく、最初から最後まで同じようなメンバーが話の主軸にいてくれるのでとてもわかりやすいキャラ設定になっているのも読みやすいポイントと言えるでしょう。

鬼滅の刃 人気の秘密③ 人物描写が美しい

鬼滅の刃の人気の秘密3つ目は、人物描写の美しさです。

主人公達が背負う過去やそれぞれの抱える悩みなどもわかりやすくて良いのですが、人間だけではなく鬼たちにもそれぞれ背負っているものがあるのがポイントです。

人間と鬼が分け隔てなく人物として描写されており、それぞれの想いが読者に伝わってくる点も読んでいて面白いと感じます。

特にアニメ版では、「Fate」シリーズも手掛けた実力派アニメスタジオであるufotableがアニメ化に携わっているおかげで、とても美しいアニメーションになっているのも更にプラス要素となっていることは間違い無いでしょう。

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 公式HPより

鬼滅の刃 人気の秘密④  深い世界観

鬼滅の刃の人気の秘密はまだまだあります。

前章で触れた通り、鬼滅の刃では人間と鬼それぞれにしっかりとした信念や想い、辛い過去などが存在しています

どこか切なく、生きるとは何かを考えさせられます。

「生と死」を正面から描き、キャラクターそれぞれの世界観や感性、考え方が違うところがさらに奥深いです。

キャラクターの設定が細かいだけでなく、大正時代を舞台とすることでどこか懐かしい、質素でも美しい世界観が物語を通して読者を魅了します。

鬼滅の刃 人気の秘密⑤  ファンを選ばない

鬼滅の刃の人気の秘密の5つ目は、①〜④を通してファン層を選ばないと言う点ではないでしょうか。

少年誌で連載されていたわけですから、ターゲットは「少年」と思わせつつ、実は青年〜大人まで魅了されます。

むしろ、子供には少し難しい言葉や描写などがあると感じるくらいです。

しかし、キャラクターの個性が若い層を魅了し、それぞれのキャラクターが持つバックボーンや物語の時代背景、ストーリーの緻密さとわかりやすさなどがより上の年齢層を魅了しているのではないでしょうか。

物語は完結 各種スピンオフにも期待

2016年2月15日(ジャンプ2016年16号)から2020年5月18日(ジャンプ2020年24号)までの4年4ヶ月の間、週刊少年ジャンプで連載されていた鬼滅の刃ですが、とうとう全205話で完結しました。

コミックスの最終巻はまだ出ておりませんが、特典付きで予約発売されており、予約数もかなりの数になっているようです。

私は少年ジャンプで最終話を読み終えていますが、最終話はとてもホッコリする形で終わってくれてほっとしました。

まだまだスピンオフとして様々な展開もできるでしょうから(作者の意向次第ですが)、今後の展開も楽しみなところが、長く愛されていく可能性を感じさせられますね。

今回は、鬼滅の刃人気の秘密について考えてみました♪