「インスタ映え」と言うワードが大流行し、最近ではSNSと言えばインスタやツイッターと言えるほどの超有名サイトですね。
友達同士で繋がったり、同じ趣味を持った人同士で繋がる意味ではとっても便利なものであるのには間違いありませんが、SNS上で知り合って犯罪に繋がったり、詐欺にあったりと、最近の軽犯罪事情もSNSを舞台に繰り広げられることが増えてきています。
インスタグラムなどは女性ユーザーが多く見受けられ、美容や健康を謳った商品の広告やアパレル商品なども数多く広告で出ています。
また、インフルエンサーを介した販売促進ももはや社会現象となっており、数多くの商品紹介を目にします。
もちろん中にはまともな商品が販売されているのが大前提なのですが、中には広告とは全く違う商品が送られてくるなど、詐欺まがいな商売もあり、十分に気をつけなくてはいけません。
今回は、そんなSNSサイト内の広告を通して買った商品が類似品(本物では無かった)だったので、一例を紹介します。
後半には、被害に遭わないための注意点もご紹介しますので、お役立てください。
買った商品は、VIAGE(ヴィアージュ)のナイトブラ
今回SNSサイト内での広告を通して購入したのは、VIAGEのナイトブラです。
VIAGEのナイトブラは、累計販売枚数250万枚を突破(※2020年4月末(株)HRC調べ)、楽天ランキング20冠達成(※2020年5月調べ)した、超人気商品です。
入荷待ちや欠品状態が継続しておりなかなか手に入らず、その人気のあまり類似品や旧式の売れ残りなどが定価より安く売られているのを見かけます。
スマートフォンでナイトブラを検索し商品購入を悩んでいたせいか、SNSサイトやインターネットを見ているとナイトブラの広告がよく出てくるようになりました。
あるとき、インスタグラムのストーリーを見ていると、ストーリーとストーリーの合間に広告が出てくるのですが、ここにこのナイトブラの広告が出てきました。
この写真を見る限りだと、本物のViageナイトブラに見えますよね。
それもそのはず、公式サイトの画像を使っています。
この広告をクリックすると、商品詳細ページに飛ぶのですが、商品詳細ページ内の画像も全て公式サイトの画像や説明書きが記載されていました。
公式サイトで購入する場合、3枚セットで8,940円します。
それがなんとこの広告では5,950円。
もうこの時点で怪しいと思うのが正解です。
届いた商品は類似品だった
怪しいと思いつつ、購入画面へ。
購入完了してもメールなどは来ず、この時点で「詐欺なのか?」と考えるほど不安になります。
2週間後、商品到着。
到底、正規品とは思えない代物が到着。
謎の中国語?らしき文のローマ字表記がパッケージ。
調べてみると、「ナイトブラ」を示す中国語のようだった。
しかも、3つのうち1つは、パッケージが開いている状態で到着。(私は開けていないw)
袋の中に無造作に入った製品は、化学繊維の独特なキツい匂いを纏ったナイトブラでした。
パッケージには、謎の日本語がたくさん書かれています。
「最も理想的な下着は下着もない」
「下着は履いていないように体の二番目の肌に似ている」
「独特の点状樹脂接着技術 肩とうでに力がない」
「女性に対する思いやり、手厚い配慮の極み」
「洗濯はより便利です。カップデザインの中でお手を入れてケアをします」
「なめらかに洗います、洗濯液で15分液体に浸してから15分後に干して干します。」
「強くこすって、強情で、あるいは逆使用する不可逆のしわパッド。」
「ヌーブラは消耗品、提案ろくヶ月交換」
「薄っぺらの束縛」
「下着/パンツの使用周期は人によって決まる」
「健康的には、3〜6ヶ月を一度、お勧めします」
「どうぞ、あなたの未来を気にしないでください」
全て、原文ママです。私のタイプミスではありませんよ?(笑)
主にこんな感じの説明文が延々と羅列されているのですが、言いたいことはなんとなくわかる気がするものの、かなり完成度が低いことが伺えます(笑)
中国など日本以外のアジア諸国では、日本製の商品の人気がとても高いです。
よって、適当な日本語が書かれているだけで「日本製」と勘違いさせ、購入意欲をそそらせるという手法がよく取られています。
今回のケースはまさにそれで、おそらくアジア向けに製作された製品で、それを安く購入し、日本国内の類似品に粉して高額で売っていたのでしょう。
届いた製品を中国版通販で調べてみた
どう考えても日本製では無いと思うので、この製品を中国版通販サイトで調べてみました。
すると、全く同じもの(3セット入り)が199台湾ドルで売られていました。
199台湾ドルは、2020年6月25日0:24UTC 時点の相場で719.29円です。
800円弱のものを5,000円以上で売っているわけです。
今回購入した業者の公式サイト(と言っても非常に簡単な作りで、即席で作成されたことがすぐわかるようなサイト)には、下記のような説明書きがありました。
返品規定なのですが、「商品が思っていたイメージと異なっていた」や「誤った商品を注文してしまった」は返品対象になっていないことがわかります。
要するに、「本物だと思ったのに、これは違う」と言うのは受け付けません、と言うことです。
注文確定した時点で、あなたの負けですよ、と言うことなのでしょう。
注文確定する際にも、「注意文を必ず読んでから注文してください」となっていることから、これらの全て同意の上で注文したとみなされるでしょうから、返品はなかなか応じてくれないのでしょうね。
では、泣き寝入りするしか無いのか?
実は、特定商取引法第15条の2第1項において、インターネットを利用した通信販売の契約では、原則として購入者が商品を受け取った日から起算して8日が経過するまでの間は自由に契約を解除して商品を返品することが可能です。
しかし、例外として、販売元があらかじめサイトに返品や交換を制限する表示がされている場合は上記法律が適応されず、契約の自由解除や返品が制限されてしまう場合があります。
今回のケースに当てはまるのが、それですね。
しかしながら、Viageのナイトブラ公式サイトの画像や商品説明を使用し、あたかも公式商品を販売しているかのように見せるこの行為自体は、景品表示法に則ればアウトです。
景品表示法には、
「不当表示の禁止」として、優良誤認表示の禁止、有利誤表示の禁止、その他誤認される恐れがある表示を禁止しています。
今回のケースだと、公式製品と見せかける商品説明になっていますので、これはきっとアウトでしょうね。
消費者センターに相談することで、ひょっとしたら返品や返金に応じてくれるかもしれません。
本来、紛らわしい製品表示をしてしまっている業者は、景品表示法の考え方の周知と啓発、法令遵守の方針等の明確化、表示等に関する情報の確認、表示等に関する情報の共有を積極的に行います。
それらがしっかりとなされていないようなサイトからは、そもそも購入自体をオススメしません。
同じような失敗をしないために
さて、それでは今後は一体どのようなことに注意して商品を購入すれば良いのでしょうか。
まず、大事なことはその販売元が信用できるかどうかです。
今回のケースでは、業者の本社所在地が曖昧な住所で、どこかの倉庫の住所になっていました。(会社は存在しなかった)。
また、連絡先がメールアドレスしか書いていないような所も、辞めておいた方が良いですね。トラブルの際に連絡がつきませんから。
公式サイトの有無も確認した方がいいと思います。
今回のケースでは公式サイトがあるにはありましたが、かなり貧相なサイトでした。
通常の公式サイトなら、ある程度作り込まれています。
また、商品説明の日本語が少しおかしいと思った場合は要注意です。
商品発送から到着まで2週間以上かかる場合も要注意です。海外から来ている可能性があります。(国内なら通常、4〜5日発送です)
SNSはとても便利ですが、商品購入など金銭的な負担が発生する際は、十分に注意して利用しましょう。
また、インフルエンサーと言われる人たちも、宣伝料をもらって商品を紹介しています。
必ずしもその人が使っているものとは限りませんから、あまり振り回されずに、自分で選び、吟味し、買うならば公式サイトから買うなどすることをお勧めします。
1)公式サイトがあるかどうか。また、しっかり作り込まれているか。
2)商品説明は独自のもので、変な日本語になっていないか。
3)返品規定に不審な点はないか。
4)購入者レビューなどがちゃんとあるか。
5)本社所在地に会社が実在しているか。
6)お問い合わせ先にメールアドレス以外の連絡先があるか。
7)発送時期が明らかに海外発送では無いか。