会社時価総額ランキング 日本vs世界

会社時価総額ランキングってご存知ですか?

時価総額とは、株価×発行済み株式総数 で算出されるそうなんですが、投資をしている方々には有名な話です。

時価総額を見ることでその企業の知名度だけでなくカンパニーパワーも測り知ることができるわけですが、このランキングが発表されているんです。

そしてこのランキング、過去のものと現在の物を比べてみると、日本企業と世界企業の、ある意味、『差』のようなものを目の当たりにすることになります。

この会社時価総額ランキング、投資をしていない方でもきっと面白いですから、ぜひご覧ください。

さてさて・・・余談ですが、消費税が10%に引き上げられて早くもだいぶ経ちますね。

消費税改正当初は総理大臣や経済評論家、各種専門家の方々がワイドショーなどで連日経済について討論したり解説したりしているのを見かけましたが、実際のところ日本経済ってどうなんでしょう。

賃金が上がっているとは言われるけど、お金が増えている実感は湧かないし、かと言って国の支援や給付などが十分とも言えません。

以前、定年後は2000万円くらいは自分で用意してくれ、だなんて政府が発表しちゃうくらい(その後取り消されていましたが)。

バブルの時期を知っている方は、『あの頃はよかった』なんて口々に言いますよね。

当時と今とでは全く日本を取り巻く情勢は変わってきていますから、一概に比較はできません。

まずは、日本という国は世界的に見て今どの程度の位置づけなのかを知ってみるのはどうでしょうか。そのために、会社時価総額ランキングを見てみると、少しヒントを得られるかもしれません。

私も最近は日本滞在が長いですから、日本が豊かに感じているところです。

もちろん、世界には貧困な人々が大部分を占めますから、それと比べると日本という国は大変豊かな国なのは火を見るよりも明らかです。

ですが、ビジネスシーンでは、世界とどのくらいの差ができてしまっているのでしょうか。

今回は、週刊ダイヤモンドで取り上げられていた記事(時価総額ランキング)を参考にさせていただき、日本企業と世界の企業との差を調べてみます。

その前に、日本の経済の成長と推移についてちょっと見てみましょう。

敗戦国とは思えぬ成長 〜朝鮮戦争特需の後押し〜

1945年(昭和20年)8月15日、ポツダム宣言を受諾。

第二次世界大戦において、米・英・中・露の連合国に敗北、降伏。これにて第二次世界大戦が終結しました。

日本は全国力を挙げ、国民総出で犠牲を払った戦争に敗れました。

犠牲は大変大きく、朝鮮半島や満洲などの植民地を失い、敗北によって経済活動の荒廃や混乱が起こります。

それだけでなく、原子力爆弾の投下や度重なる空爆などで多くの地域が焼け野原となった日本。復興の道のりは長く険しいものになるのは、誰もが予想したことでしょう。

戦死者も多く、まさにゼロからのスタートとなった日本の復興でした。

1940年代後半には食糧危機の影響で経済状況がさらに悪化しましたが、それをも乗り越え、終戦からたった10年で、『東洋の奇跡』と世界に言わしめるほどの成長を遂げたのでした。

東洋の奇跡

戦後1955〜1973年の約20年間にわたり、日本の経済成長率が年平均10%前後の高い水準で成長を継続しました。戦前の最高水準をも軽々上回り、『もはや戦後ではない』と言われたほどでした。まさに奇跡と言われていたのです。

1950年には、朝鮮戦争が勃発し、アメリカ軍から莫大な量の注文を受けた日本は、さらに経済成長が後押しされます。(軍服や食料、車両部品など非武装品目が多く日本に注文された)

これにより日本国内の様々な業界が潤いました。

なんと、3年間での戦争特需10億ドルを上回ったという調査結果があるほどで、直接特需以外の間接的な需要が30億ドル以上あったとされますから、合わせて50億ドル弱の需要が発生したと言えます。

この需要は単にお金を日本国内に集めただけでなく、各分野の業界や工場の技術力・労働力確保、生産性の向上など、多くの成長を後押ししました。

三種の神器
このように1950年代は成長が目まぐるしく、日本国民の生活必需品がテレビ、洗濯機、冷蔵庫三種の神器と言われた)になり、ビールなどが冷蔵庫に入るようになり、国民の生活も目まぐるしく変化していきます。

敗戦国とは思えぬ成長 〜東京オリンピック特需〜

1964年の夏に東京オリンピックが開催されることも、特需として日本の経済成長を後押しするものになりました。

交通網の整備から競技施設の建築整備

東海道新幹線首都高速道路などインフラ設備日本武道館もこの時にできました。

それ以外にも、オリンピックを見るためのテレビを購入したり、実際に会場へ出向くために国民が外出する頻度が増えたり・・・と、好景気の後押しになることばかりでした。

三種の神器から3Cへ

冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビが三種の神器と言われていました。
それが3Cへと移り変わっていきます。
『カラーテレビ』『クーラー』『自動車(Car)』です。
低価格帯の自動車も生産・販売されるようになり、家庭で1台自動車を持つことが可能になってきたのです。

こうして経済が成長していくについれ、各家庭の収入も増え、消費も多くなりました。

また、この頃は1ドル=360円の固定相場制度だったため、輸出がどんどんと拡大されました。

また、石油などの原油も現在よりも安価だったため、手に入れるのが容易だったこともあって、輸出は大成功を納めていました。

おかげで、国民総生産(GDP)もこの頃アメリカに次いで世界第二位となります。

1974年 戦後初めて経済成長率がマイナスへ転落

1973年に中東問題の悪化に関連して原油の価格が高騰し、日本の国際収支は一気に赤字へと転落します。

いわゆる、オイルショックです。

この翌年である1974年、日本は戦後初めて、経済成長率がマイナスへと転落しました。

しかし日本の底力は衰えず、翌年の1975年には再度経済成長率をプラスへ転換

その後1979年にも再度原油価格の高騰(第二次オイルショック)が起こりますが、日本は前回の教訓として対策を練っていたため(省資源)、ダメージをミニマムに抑えることを可能とし、危機を難なく乗り越えました。

しかしながら、この頃から高度経済成長期は終焉へと近づいていきます

1986年〜1991年にバブル期へとなっていきますが、このバブルは事実上、鍋の空焚き状態ですから、本来の経済の実態とはかけ離れている空想状態のため、すぐに弾けてしまいます。

この時期の、脂が乗り切った日本企業の時価総額がこれだ

出典:ダイヤモンドオンライン

これは世界ランキングだというのに、ほとんど日本企業の名前が載っていますね。

トップ20のうち、実に14社が日本企業だという事。

まさに、世界をリードしていた日本企業。

ちなみに、ダイヤモンドオンラインの記事では上位50社までが掲載されており、その中では実に32社が日本企業という実態になっています。(ダイヤモンドオンライン様の記事はこちら

まさに世界をリードしていた日本企業。

日本製のクオリティの高さ、高品質などが人気となり、世界では『日本製は安心で確実』などの印象をも与えていました。

時価総額ランキング2019 〜日本企業は何社ランクインしているのか?〜

出典:ダイヤモンドオンライン

さて、上が平成元年現在(平成30年)の時価総額ランキングの比較です。

同じランキングですが、上位20社には日本企業はランクインしていません。

それどころか、Top50を見ても、35位にトヨタ自動車がランクインしているだけで、1社のみとなっています。

現在、世界ではビッグ5アップルアマゾングーグル(アルファベット)、マイクロソフトフェイスブック)が先導しています。

そのほかで気になるのは、中国系企業がちらほらとランクインしているところですね。

最近は中国の経済成長が著しいですが、このランキングを見てもそれが確認できますね。

日本はまさに、中国の成長に負けてしまっているのが現在のところなのかもしれません。

日本の底力は、企業力だけではない

大戦の敗戦から高度経済成長、そしてバブル期とその崩壊、現在の企業の時価総額・・・と約70年間を駆け足で垣間見てきました。

日本という国、そしてその国民は、とても賢くて強いと思います。

と言いますのも、高度経済成長を通じて経済を成長させていたさなか、工業が盛んになった反面、環境を破壊し、数多くの環境問題を発生させました。

大量生産と大量消費の裏に潜む大量ゴミ問題、

さらには人的被害としてイタイイタイ病水俣病四日市ぜんそくなどの公害病の発生

そういった数多くの弊害にもマメに向き合ってきた人たちがいます。

大勢の幸福の裏に潜む、少数の不幸を見逃さずに、手を差し伸べてくれる人たちがこの国にはいます。

日本企業の力もすごいですが、それを支えているのは日本人の優しく暖かい心のはずです。

最近は、心痛むニュースや寂しい話が多くあります。

日本人の良さが薄れてきているように感じます。

そうして企業力も弱体化の一方で、いい意味での改革がなかなかなされていない国になってきてしまっている気がします。

いま一度、この国の未来を真剣に考えて、日本という国を再び強い国にしていきたいですね。


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