最強日本食、納豆が寿命を伸ばす

みなさんは納豆を毎日食べていますか?

日本人のとっても身近にいつもある、納豆

そんな納豆に関する研究は日々あちこちの研究機関で行われていますが、先日、大変興味深い研究結果が報告されました。

『納豆1日1パック食べることで死亡リスク10%減』

それがもし本当だったら、とてつもないことですよね。

特に日本に住んでいれば納豆を手に入れるのは簡単で、3連パックでも100円以内で購入できますから、継続も比較的容易だと思います。

私も納豆は大好きで、結構な頻度で口にしています。

手軽に美味しく食べられて、尚且つ健康に良いだなんて、ますます興味深い!

ということで今回は、そんな身近な食べ物「納豆」についてとことん調べてみました。

目次

納豆が食べられるようになった歴史

今でこそとても身近にある納豆ですが、そもそも日本人と納豆の関わりの起源について、少し見てみましょう。

納豆の起源については諸説あるようでした。

全国納豆協同組合連合・納豆PRセンターによると、

納豆の誕生にはさまざまな説がありますが、いずれにしても「煮豆」と「藁(わら)」の出会いがきっかけだったと考えられています。

弥生時代から、日本には大豆も藁もあったことから(藁は竪穴住居に敷き詰められていた)、この時代にはすでに納豆が食べられていた可能性があります。
記録に出てくるものとしては、藤原明衡(ふじわら あきひら)の「新猿楽記」(1286年)に、好きな食べ物の一つとして「塩辛納豆」が記載されているのが最初のようです。

全国納豆協同組合連合会、納豆百科事典より

ピントルさんのサイト、「納豆の専門ページ」によりますと、上と同じく弥生時代説の他にも聖徳太子説戦時中説などがありました。

聖徳太子説

聖徳太子が相葉にエサとして与えていた煮豆の余ったものを「もったいない」という理由で藁に包んでおいたら自然に発酵して糸引く豆になっていて、食べてみたら美味しかったので人々に広めたという説
戦時中説

遠征して戦争をしていた時に思った以上に長期戦になってしまい、食糧が不足しました。そこで近くの農民に食料を提供するように命じます。農民たちは大急ぎで大量にあった大豆を煮て、藁に包んで献上します。それが数日して自然発酵し、糸引く豆になったという説もあります。

※出典:ピントル「納豆の専門ページ」より

納豆に関する統計(農林水産省)

平成18年発表の文書になるので少し古くなってしまいますが、農林水産省総合食料局食品産業復興課による豆腐・納豆の現状報告書によると、下記のような統計がありましたのでご紹介します。

【消費者の関心事項】
① 健康のために接種している食材ベスト5
   1位:納豆(68.9%)
   2位:緑茶(56.4%)
   3位:豆腐(52.8%)
   4位:牛乳(51.6%)
   5位:ヨーグルト(50.9%)

【納豆製造業】
① 納豆製造業の生産量の推移

既出の報告書を参考に作成。(単位:千トン)

ここからは、報告書から離れてウィキペディアによるものになりますが、納豆の生産地として有名な水戸市は納豆生産量が日本一。

消費量の日本一は福島県福島市。

本題!納豆の健康効果

前置きはこのくらいにして、そろそろ本題となる納豆の健康効果について見てみましょう。

おかめ納豆サイエンスラボによると、

妊娠中に納豆を毎日食べていた母親から生まれた子どもは納豆を食べない母親の子どもと比べて、約3.5倍もアトピー性皮膚炎になりにくいことが調査でわかりました。また日常的に納豆を食べている子どもはO-157に感染しにくい傾向があるというデータもあります。」(中略)「納豆菌が腸の上皮細胞(腸管バリア細胞)を活性化することが観察されました。納豆菌は腸内にいつもいる常在菌ではないため、上皮細胞に贈るシグナルが強く、腸上皮細胞活性化の度合いが強いと思われます。」

要約すると、納豆菌は常に腸内に留まることができるわけでは無いが、何らかのプラス要素となる刺激を腸に与えるであろう、ということ。

みなさんは、「腸管免疫」という言葉を聞いたことがありますか?

実は最近、免疫学に置いて最も注目されている分野の一つが、この「腸管免疫」だそうで、腸は免疫力と直接の関わりがありそうだ、という研究が日々行われているところです。

そんな重要臓器である腸に良い刺激を与える効果があると言われる納豆ですから、免疫力に影響しているのかもしれませんね。

納豆と死亡リスク

国立研究開発法人 国立がん研究センターによる多目的コホート研究(JPHC Study)からの成果報告によると、発酵性ダイズ食品の摂取量が多いほど総死亡リスクが低くなる可能性が明らかになりました。

これは同センターが約20年間・9万人以上を対象に研究された成果報告なので、かなりビッグデータですよね。

総大豆食品摂取量、発酵性大豆食品摂取量と総死亡リスクの関連
出典:国立研究開発法人 国立がん研究センター「多目的コホート研究JPHC Study」より

今回の研究で、総大豆食品摂取量は死亡リスクとの関連が見られなかったものの、発酵性大豆食品の摂取量が多いと死亡のリスクが下がるという関連が明らかになりました。

また、納豆の摂取量が多いほど循環器疾患死亡リスクが低いという関連を認めました。

大豆にはタンパク質や食物繊維、ミネラル、イソフラボンと言ったさまざまな成分が含まれ、血圧・体重・血中脂肪などに良い効果を及ぼすことが先行研究から報告されています。特に、発酵性大豆食品は加工の過程で成分の消失が少ないことなどが、明らかな関連を認めた理由の一つとして考えられます。

出典:既出、多目的コホート研究JPHC Studyより

ただただ大豆食品を食べれば良いということでは無く、発酵性大豆食品(納豆など)を食べることが良さそうだ、ということですね。

今回、多くの研究資料や専門ウェブなどを拝見させていただいて感じたことは、納豆はまだまだ未知な事が多いという事でした。

日々研究が積み重ねられ、新たな効果や効能が発見されるかもしれませんが、すでに良い効果が見え始めていますから、納豆を毎日の食卓に取り入れてみるのも良いかもしれませんね。

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