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なんで指しゃぶりをするの?
実は赤ちゃんはお母さんのお腹の中でも指しゃぶりをしているそうです。
妊娠中の3Dエコー撮影(お腹の中の赤ちゃんをエコーを通して3D的に目鼻立ちなどの顔立ちを見れる)すると、指を口に入れていたりしているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか?
赤ちゃんにとって、指しゃぶりは本能的な行動である上に、自らしゃぶりながら自分の指に伝わる感触や、指が感じる感覚を確かめながら楽しんでいる、大事な行動だと言われています。
赤ちゃんの本能によるものですから、早々に無理やりやめさせる必要はないそうです。
指しゃぶりは何歳頃まで続くのか?
これに関しては本当に人それぞれですが、3歳〜5歳頃には遊べる範囲が広がり、夢中になる遊びが指しゃぶり以外にもたくさん増えるので、大体このくらいの時期になると指しゃぶりの頻度が減っていき、いつの間にか勝手に卒業していることが多いそうです。
また、日中は全くしないのに、昼寝や夜の入眠時に吸っちゃってる場合は、今までの習慣的な、儀式的な感覚なのでそこまで心配しなくてもいいそうです。
各年齢における、発達と指しゃぶりについてまとめた資料があったので、次の項目でご紹介します。
こどもの発達と指しゃぶり
日本小児保健協会の小児保健研究電子ジャーナルに、小児科と小児歯科の保健検討委員会による、子どもの発達とその過程の指しゃぶりについてをまとめた資料がありましたので、その一部を紹介します。
以下、上記資料の中で紹介されていた、各成長過程とその時期の指しゃぶりについて。
生後2〜4ヶ月では口のそばにきた指や物を捉えて無意識に吸う。
5ヶ月頃になると、なんでも口に持っていってしゃぶる。
これらは目と手の協調運動の学習とともに、いろいろの物をしゃぶって形や味、性状を学習するためと考えられている。つかまり立ち、伝い歩き、一人立ちや歩き始める頃は指しゃぶりをしているとこれらの動作ができないので減少する傾向にある。
積み木を積んだり、おもちゃの自動車を押したり、お人形を抱っこしたりする遊びが見られるようになると、昼間の指しゃぶりは減少し、退屈な時や、眠い時にのみ見られるようになる。
母子分離ができ、子どもが家庭から外へ出て、友達と遊ぶようになると指しゃぶりは自然と減少する。5歳を過ぎると指しゃぶりはほとんどしなくなる。
6歳になってもまれに昼夜、頻繁に指しゃぶりをしている子が存在する。特別な対応をしない限り消失することは少ない。
指しゃぶりの弊害(噛み合わせ、構音、感染)
既出のジャーナルでは、さらに指しゃぶりの弊害についても触れられていました。
お子さんの指しゃぶりで特に気になるのは、この弊害ではないでしょうか。
やはり、指しゃぶりを続けるほど歯並びや噛み合わせに影響が出てくる可能性がある様です。
上の前歯が前方に出てしまったり、上下の前歯の間に隙間ができたり、上下の奥歯が横にずれて中心に合わなかったりと、噛み合わせに問題が生じる場合がある模様です。
これによって、口呼吸や構音障害が起こりやすくなってしまう場合もあるようです。
そのほかにも、指に吸いダコができてしまい、そこが炎症を起こしてしまう場合もあります。
また、指を口に入れることで、ウィルスやバイ菌などを体内に入り込ませてしまうことになり、結果的に風邪やインフルエンザに罹患しやすくなってしまう可能性もあります。
指しゃぶりの考え方
指しゃぶりに対しては専門領域ごとの意見が異なることが多く、正解と言えるような答えが1つではありません。
だからこそ、お母さんやお父さんに不安を与え、情報検索するも人によって言っていることが違って、余計に不安をあおられる結果になっているようです。
我が家でも、子供の指に吸いダコができ、その患部が炎症を起こしてしまいました。子供は吸いたいのに吸ったら痛くて泣く、と言った負の連鎖に見舞われた時は、本気で医療機関の受診を考えたほどです(笑)
上の子の時は、指しゃぶりをする親指に指しゃぶり防止の苦い薬(無害)を塗りつけたら、指しゃぶりはなくなりました。
下の子は、特に特殊な対応を取ったわけではありませんが、自然と3歳ころから指しゃぶりがなくなった感じです。
指しゃぶりは3歳ころまで自由にしていて良さそう
色々と見てみましたが、やはり各分野の専門家によって意見は異なっているようです。
小児歯科の先生の多くは、やはり歯並びの悪化や構音障害の原因としても考えられていることから、早めの対応を促す意見が多めでした。(とは言え、2歳くらいまでは静観という部分は同じでした)
また、指しゃぶりは何かに夢中になっている時はやらない時の方が多いようなので、指しゃぶりをさせないように一緒に遊ぶ時間を作ったり、何かに夢中にできるようにしてあげるような工夫もあると、指をしゃぶる時間を少し削れるかもしれません。
とは言え、四六時中付きっきりで何かに夢中にさせておくわけにはいきませんので、ある程度は自然に見守り、成長の過程を静観してみるのも良いと思います。
6歳以降になってもまだがっつり指をしゃぶっているようなら、医師や保健師に相談してみると良いかもしれません。(就学時の検診などもありますし)
胎児14周頃から口に手を持っていき、24周頃には指を吸う動きが出てくる。そして32周頃から指を吸いながら羊水を飲み込む動きも出てくる。
胎児期の指しゃぶりは生まれて直ぐに母乳を飲むための練習として重要な役割を果たしていると考えられている。