防災用で用意していた水の賞味期限が切れてしまった・・・
この水はもう飲めないの?だとしたらどうやって使えるの?
実は我が家にも防災用の水は備蓄しています。
水は賞味期限が長いので、備蓄していても大丈夫ですが、ふとした時に見てみると期限切れだったりしますよね。
そんな時、そのお水をどうしていますか?
今回はそんな時の水の処理方法をお教えします。ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
水は賞味期限が長い
水は基本的に腐るものです。しかし、ペットボトルや瓶などの容器に入ったミネラルウォーターは、未開封の状態であれば基本的には腐りません。
ですから、賞味期限が切れていても、書かれた保存方法を守って保存しており未開封であれば口にしても大丈夫だと言えます。(見た目はもちろんのこと、匂いなどは開けた後に確認してみることをお勧めしますが)
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。
お弁当、サンドウィッチ、生麺、ケーキなど、傷みやすい食品に表示されています。
※農林水産省『消費期限と賞味期限』より
水に賞味期限が設けられている理由
開封していないのに、中の水が少し減っているのを見たことありませんか?
それは、ペットボトルの容器には多少の通気性があることが要因と言われています。
ですから、長期保存している過程で水が少しづつ蒸発してしまっているのです。
ペットボトルには内容物と内容量が記してありますが、実際のところ年月を過ぎると蒸発して減ってしまうので、表記された内容量を保証できません。
飲食物には、食品衛生法や食品表示法など、品質を保証する上で遵守しなければならない法律がたくさんあります。表記した内容量よりも減ってしまっていると、それらの法律の一つ、計量法の違反になってしまいます。
そのために、内容量を保証できる期限=賞味期限として記載されている場合が多いです。
日本ミネラルウォーター協会の話
さて、実は2018年7月3日付の産経新聞の記事で、「賞味期限を過ぎたペットボトルの水は飲めるか、飲めないか?」の中で日本ミネラルウォーター協会の事務局長の話が載っており、上で説明したことと同じようなことが記載されていたので、抜粋します。
ペットボトルの水が「何年たっても腐らない」なら、いっそ賞味期限を「無期限」にしてはどうか。
「いや、水の賞味期限は、表示された容量が確保できる期限です」
こう話すのは日本ミネラルウォーター協会の渡辺健介事務局長だ。
食品は、食品事業者が科学的・合理的な根拠に基づいて賞味期限を設定している。一方、計量法の規定に基づいて内容量を表示する決まりもある。
ペットボトルの容器は、通気性がある。すると、水が少しずつ蒸発する。つまり、時間の経過とともに減るのだが、表示と実際の容量が許容の誤差を超えた商品を「販売する」と計量法違反になる。ペットボトルの水の賞味期限は、もっぱら表示と実際の容量の誤差が許容範囲内にある期間、すなわち計量法違反にならない限度を示しているのだ。
2018年7月3日付「賞味期限を過ぎたペットボトルの水は飲めるか、飲めないか?」より。文:産経新聞 文化部 平沢裕子氏
なお、その水を「譲渡する」のは計量法に反しないし、飲むのも問題ない。備蓄しておいた水が減っても、計量法とは無関係だ。
渡辺事務局長は「東日本大震災以降、水の備蓄が増えたが、その分廃棄も増えている」と指摘する。
「ペットボトルの水は手洗いや食器洗いにも使える。安全でも期限切れの水を飲むのは嫌だという気持ちが働くなら、廃棄するのではなく別の用途で使うといいでしょう」
期限切れの水を風呂水などに使用するのは勿体ない
以前、ニュース番組にてこんなコメントを耳にしました。
「防災用の飲料水が期限切れの場合は、風呂水や洗濯、震災時のトイレを流す用の水としても使えるので、捨てずに取っておきましょう」
『捨てない』という部分は良いと思うのですが、果たして上記のような消費方法で正しいのでしょうか。
先にもお話しした通り、期限切れのミネラルウォーターは飲めないわけではありません。
貯めた雨水や風呂の残り湯などは当然飲めませんから、洗濯やトイレを流す用など・・・活用方法に限りがあるのは確かです。
しかし、期限切れのミネラルウォーターはまだまだ飲めるケースが多いですから、食事作りや炊き出しなど、ぜひ積極的に使ってあげたいですよね。
賞味期限が切れていても、それは清潔な水です。
国際連合広報センターによる、世界の水情勢は次の通りです。
① 安全に管理された飲料水サービスを受けられない人々は、21億人に上ります(WHO/UNICEF, 2017)。
② 毎年、5歳未満の子ども34万人が下痢症で死亡しています。(WHO/UNICEF, 2017)
③ 水不足はすでに、世界人口の10人に4人に影響を与えています(WHO)。
このように、清潔な水さえあれば助かる命が世界中にあることがわかります。
だからこそ、災害用で備蓄した水の賞味期限が切れたくらいで、捨てたり汚水処理用として使ったりと、無駄にしたくないですよね。
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずに美味しく食べられる期限」のこと。
スナック菓子、カップ麺、チーズ、かんづめ、ペットボトル飲料など、消費期限に比べ、痛みにくい食品に表示されています(作ってから3ヶ月以上持つものは「年月」で表示することもあります)。
この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
※農林水産省『消費期限と賞味期限』より