昨今のコロナウイルス騒動で、アルコールなどの消毒グッズの売り切れが続出していますが、みなさんは殺菌・消毒を実施していますか?
手指や生活空間の消毒はもちろんのことですが、スマホやパソコンなどの消毒をお忘れではないですか?
せっかく手洗いをして消毒までしたのに、汚いスマートフォンを触ってしまったら意味がなくなってしまいます。
ぜひ、スマートフォンの消毒もやってみてくださいね。
大学による調査結果
さて、サウジアラビアのキング・アブトゥルアズィーズ大学で2015年に行われた研究によると、105人のスマホから多くの細菌が検出され、医療行為中のスマートフォンの使用制限などを提唱しています。
そのほかにも、2017年にエストニアのタルトゥ大学で高校生を対象にした似た調査では、スマホには便座の約10倍量にあたる細菌が付着していたという結果もありました。
これらの研究は海外での研究であるため、世界的に見ても突出して清潔な国である日本では、調査結果はおそらくもう少し変わってくると思います。
日常的に手洗いもしっかりしている日本では、比較的、菌は少なめに検出される可能性があります。
とはいえ、スマートフォンは常に触っているものですから、清潔にしておきたいですよね。
スマートフォンは細菌で汚染されている
サウジアラビアのキング・アブドゥルアズィーズ大学で2015年に行われた研究によると、105人中101名(96.2%)の医学生のスマホから多くの細菌が検出されたことが報告されています1)。具体的には、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が68.9%から検出され、バチルス属細菌が20.0%、黄色ブドウ球菌が16.2%、パントエア属細菌が0.95%、連鎖球菌が0.95%の頻度で検出されました(図参照)。この内、黄色ブドウ球菌は細菌性食中毒の原因であり、バチルス属菌の中にも食中毒起因菌が含まれています。今回の論文によると、トイレの中でスマホを使用する学生が59%おり、スマホの清拭に消毒薬を使用しないと答えた学生が68%にも達しています。
酪農学園大学 動物薬教育研究センター トピックス「スマートフォンは細菌で汚染されている!」掲載日2019.06.03 より引用
中でも、大腸菌はとても恐ろしく、トイレットペーパー10枚以上を通過できたとする実験結果があるほどです。
最近では、トイレットペーパーを三角に折っておくのを控えるようにお願いしている店舗なども多く、話題になりましたが、それほど菌は強力なのです。
トイレでスマホをいじったり、外出先でスマホをいじったりしていると、その時の菌がスマホに付着します。
その後、帰宅してせっかく手を洗っても、スマホを触ってしまったら意味がないですよね。
必要な菌もある
私たち人は、見えないところにたくさん菌を保有しています。
口の中や手のひら、足の裏、肌など人体もそうですが、机やテーブルなどにもありとあらゆるところに菌がいます。
ですが、これらは常在菌として、私たちに悪い影響はほとんど与えません。
むしろ、共生しているので、ある程度は必要とされている可能性があります。
しかし、大腸菌やブドウ球菌など、害になる菌は滅菌したいですよね。
トイレではスマホをいじらないようにしたり、外出先から帰ってきたら手洗いと同時にスマホも消毒したりすることで、清潔に保つことができます。
スマートフォンは消毒してもいいの?
ここで気になるのは、スマホは消毒しても大丈夫なのか、ということですよね。
まず結論から言うと、消毒可能です。
iPhoneについては、アップル公式ホームページ内で確認したところ、下記の方法であれば消毒可能だとわかりました。
アンドロイドについては、
KDDIが届ける、IT・カルチャーマガジン『TIME&SPACE』でメーカー担当者に聞いた取材した内容が紹介されていたので、引用させていただきますね。
スマートフォンの表面(前面・背面)を少量の消毒用アルコールが含まれた柔らかい布などで拭く程度であれば問題はない。
防水モデル:
電源を切り、70℃以下の蒸しタオルで優しく拭き取る(やけどに注意)程度であれば良い。また、糸くずのでない柔らかいぬのにイソプロピルアルコール(99.7%以下)、エタノール(99.5%以下)を少量含ませ、本体を拭き取ることも許容しています。
※京セラHP「スマートフォンのお手入れのしかた」
その他のスマートフォンも、ほぼ同一の見解がなされていました。
シャープ製スマートフォンのお手入れの仕方、メーカーページはこちら。
どちらのメーカーも、画面や本体の表面(前面、背面)のアルコール消毒は許容しているものの、結合部や開口部へのアルコール消毒は推奨していないので、故障を防ぐためにも注意してください。
また、強すぎる薬品を使うこともやめておきましょう。
スマホは汚いという認識を広めよう
スマートフォンだけに限らず、コピー機や固定電話、パソコンのキーボードなど、多くの部分に共通して言えることではありますが、使用頻度が比較的高いスマートフォンについて、今回は話をさせていただきました。
まずは、スマートフォンは汚いんだという認識を持ち、トイレの中で使用後にそのまま食卓へ持ってきて触るなど、そういったことの無いように気をつけたいですね。
レストランのテーブルの上に置いておくなども、そう考えるとマナー違反ですよね。
スマホの使用場所を考える、いいきっかけになればと思います。
関連記事:ポータブルで消毒できる、滅菌器!
・70%イソプロピルアルコール含有ワイプや、クロロックス除菌ワイプで、iPhoneの外表面を優しく拭いて良い。
・漂白剤(ブリーチ)は使用不可。
・開口部に湿気や水分が入り込まないように注意。
・洗剤類の中にiPhoneを浸すのはNG。
※アップルサポートより